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生ト止

空         雲

    錆                
                生命力

  停止

置き去りにされた廃車の傍らに

誰が飾った訳でもなく

何故此処に咲いたのか

そうなる事が自然であるかのように

力強く育っていた

錆びだらけの三輪車

誰かが大切に乗って、古くなった三輪車

まだ遊びたいと何処かで誰かが探しているのか

もう誰からも忘れられてしまったのか

往く当てもなく

街路樹に寄り添っている

必要とされなくなって捨てられて

ゴミ貯めの中に埋もれて

処分されるでもなく

少しずつ朽ちていく

枯れた枝よりもか細い存在

それが止

止を生命が力強く覆っていく

ほおっておけばいずれはその姿全てを覆い尽くすだろう

文明がいつか終わりを迎えるとしたら

こうして大地が何もかも包み、隠し、浄化していくのだろう

何年も何年も何年もかけて

かつては小さな好奇心を乗せて

変わる事のない景色の中を

毎日毎日走り続けたバス

あの時乗せた少年は今どこで何をしているだろう?

サラリーマン?警察官?パイロット?野球選手?

彼がそれを知る事はきっともう無い

もう、誰かを乗せて、変わる事のない景色の中を

走る事も無い

ただ、これに乗ってどこへでも行ける気がした少年達の

遠い遠い、思い出すことも無い記憶の中でだけ

走る事を許されている

自分の持つ役割を果たした先には何が待っているだろう?

誰もが望んだ結末にたどり着ける訳ではない

より金を積んだ者が

より愛を育んだ者が

より夢を果たした者が

望んだ最後を遂げられるのだろうか?

教科書に名前を残したところで

それを学んだ者もまた、100年経たずに土に帰る

多くを望まないのは賢い事か?

多くを望むのは欲深き事か?

自分で未来を決めていける人間、人間の役割は何だ。

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